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前田 敏克; 馬場 恒孝*; 水野 大*; 寺門 正吾; 喜多川 勇; 沼田 正美
廃棄物学会論文誌, 17(4), p.271 - 281, 2006/07
シリコン,カルシウム及びアルミニウムを主成分とするスラグ試料を用いて、セメント平衡水中における静的浸出試験を90Cで行い、スラグの溶解挙動を調べた。セメント平衡水中では溶液のアルカリ性のため、脱イオン水中に比べてスラグの溶解量が増大することがわかった。また、スラグ表面には溶解に伴いケイ酸カルシウム水和物(C-S-H)を成分とする二次相の生成が認められ、C-S-Hが生成する期間中は同じpHのアルカリ溶液中に比べてスラグの溶解が抑制される効果がみられた。
前田 敏克; 馬場 恒孝*; 堀田 克敏*; 水野 大*; 小澤 達也
日本原子力学会和文論文誌, 4(4), p.242 - 247, 2005/12
SiO, CaO及びAlOを主成分とするスラグ試料を用いて、セメント共存下における静的浸出試験を90Cで行い、処分環境として想定されるセメント環境でのスラグの溶解挙動を調べた。その結果、スラグは試験期間をとおして一定の速度で溶解することがわかった。これは、スラグとともに放出された主成分Siがカルシウムシリケート水和物に取り込まれることによって液中Si濃度の低い状態が保たれ、初期における溶解反応速度が継続したためと推察された。
山下 利之
セラミックス, 39(10), p.817 - 821, 2004/10
Puを燃やしきり、使用済燃料の直接処分を可能とする岩石型(ROX)燃料を開発した。Puの効率的燃焼のため親物質を含まないイナートマトリックス(IM)で燃料を構成した。使用済燃料の直接処分を可能とするため、自然界で数百万年の風化に耐えてきた鉱物類似化合物の中から安定化ジルコニア(YSZ)とスピネルをIMに選定した。燃料としての熱物性,照射損傷,FPの捕捉性等を考慮し、YSZ粒子球をスピネルマトリックス中に分散させた粒子分散型燃料を考案した。照射試験において、スエリング,FP保持特性,燃料組織安定性など粒子分散型燃料は所定の性能を示すことのほか、浸出試験でも優れた耐久性を示すことを確認した。また、ROX燃料を軽水炉で使用する際の炉物理的課題は適切な中性子共鳴吸収材(Th, U, Er等)の添加により解決し、その結果、現行のUO燃料軽水炉と同程度の安全性を確保したROX燃料軽水炉の設計が可能となった。
中塩 信行; 中島 幹雄; 平林 孝圀*
日本原子力学会和文論文誌, 3(3), p.279 - 287, 2004/09
高周波誘導加熱とプラズマ加熱を併用するハイブリッド加熱方式及び導電性るつぼを用いる高周波誘導加熱方式の2つの溶融方式によって50Lドラム缶スケールの溶融固化体を製作した。長期浸出試験前後の溶融固化体を解体し、固化体の固型化材(モルタル)充填状況,固化体性状の変化,固化体の化学組成及び放射性核種分布の均一性を調べるとともに、溶融固化体加熱方式の違いが放射性核種の金属層・スラグ層への分布に与える影響を調べた。いずれの溶融方式においても、均質で放射性核種が均一に分布した溶融固化体が製作できることを示すとともに、長期浸出試験後も固化体性状の劣化はなく健全な状態が保たれていることを明らかにした。
前田 敏克; 馬場 恒孝*; 水野 大*
廃棄物学会論文誌, 15(1), p.45 - 51, 2004/01
SiO,CaO及びAlOを成分とする塩基度の異なるスラグ試料について、酸性からアルカリ性の水溶液中における静的浸出試験を行った。アルカリ溶液中(pH12.4)及び酸性溶液中(pH1.6,4.0)におけるスラグの初期溶解速度は、中性から弱アルカリ性域(pH6.8,9.0)に比べて10倍以上に増大することがわかった。また、pH9.0以上の溶液中においてスラグの塩基度は初期溶解速度に影響を及ぼさないが、酸性から中性溶液中では塩基度の高いスラグほど初期溶解速度が大きくなった。この傾向は、スラグを構成するネットワークの溶解特性によって決まると推察された。
蔵本 賢一; 白数 訓子; 山下 利之
Journal of Nuclear Materials, 319(1-3), p.180 - 187, 2003/06
被引用回数:9 パーセンタイル:53.35(Materials Science, Multidisciplinary)プルトニウム(Pu)の需給状況に柔軟に対応できる利用法の一つのオプションとして、現行の軽水炉中でPuをほぼ完全に燃焼でき、使用済燃料を安定な廃棄物として直接処分できる岩石型燃料とその軽水炉燃焼技術の開発を進めている。この岩石型燃料の照射後の地質学的安定性を評価するために脱イオン水中で90C,約6ヶ月間の浸出試験を行った。注目したのはマトリックス元素,TRU及び長半減期核種の浸出率である。Zr,U及びPu-239の浸出率は10g/cm/dayのオーダーで極めて良好な浸出率であった。しかし、Yの浸出率は高く予想に反するものであった。また、揮発性のCsやIの浸出率は粒子分散型燃料で2-3倍ほど高く、FPガス放出挙動に見られるようにマイクロクラックを通じて拡散し、浸出液と接触しやすい箇所に析出したためと考えられる。
ホット試験室
JAERI-Review 2001-044, 95 Pages, 2001/12
本報告書は、平成12年度のホット試験室の活動について燃料試験施設,WASTEF及びホットラボの3施設の運転管理とそれぞれの施設で進めた技術開発についてまとめたものである。燃料試験施設では、東京電力・福島第二発電所1号機で照射されたBWR燃料集合体の照射後試験を開始した。また、所内利用として、NSRRにおけるパルス照射実験のための燃料棒短尺加工及び照射後試験,岩石型燃料の照射後試験,JNC・常陽炉で照射された混合炭窒化物燃料の照射後試験を実施した。WASTEFでは陸域における放射性核種の移行挙動等に関する研究,バリア性能研究及び再処理施設新材料耐食安全性実証試験等を実施した。ホットラボでは、NSRRパルス照射燃料,軽水炉用圧力容器鋼材及び核融合炉用材料等について、各種の照射後試験を行った。
中山 真一; 秋元 利之; 飯田 芳久; 永野 哲志
Proceedings of International Conference on Scientific Research on the Back-end of the Fuel Cycle for the 21st Century (ATALANTE 2000) (Internet), 4 Pages, 2000/00
仏COGEMA社から返還されるビチューメン固化体は、我が国で地層処分されることが考えられており、安全評価のために固化体性能に関するデータが必要である。実験室規模の模擬COGEMAビチューメン固化体を作製し、深部地下を模擬した低酸素濃度環境下及び対照試験としての大気条件下で、25または45において、100日間以上の浸出試験を行った。大気条件下では、イオン交換水中に比べCa(CH)水溶液(アルカリ環境を模擬)中で浸出が抑制された。この原因は、大気中のCOガスがCaと結合して生成した難溶性固化体CaCOが固化体表面を被覆するためだと思われ、COガスを含まない低酸素条件下ではこのような抑制は認められなかった。浸漬液中におけるNp濃度は浸漬液の種類によって異なったものの、大気下・低酸素濃度下の違いは現れなかった。Npが固化体作製時の価数を維持しているためと思われる。
V.Balek*; Z.Malek*; 三田村 久吉; 馬場 恒孝
Proc. of 7th Int. Conf. on Radioactive Waste Management and Environmetnal Remediation (ICEM'99)(CD-ROM), 4 Pages, 1999/00
模擬TRU含有ペロブスカイトセラミックスのMCC-1浸出試験前後の微細組織のキャラクタリゼーションを走査電子顕微鏡法、X線回折法、エマネーション熱分析法により行った。エマネーション熱分析法では、親核種のTh-228及びRa-224でラベリングした試料表面からの娘核種Rn-220の放出速度を20~1200Cの範囲にわたって加熱モード及び冷却モードで測定した。この結果より試料表面の微小亀裂や欠陥のアニーリング温度を求めるとともに、他の微細組織観察で得られた結果との対応付けを明らかにした。
三ツ井 誠一郎; 久保田 満*; 山口 明*; 中島 英雄*
JNC TN8430 98-001, 12 Pages, 1998/11
高レベル放射性廃棄物の地層処分研究において、処分環境でのガラス固化体の長期溶解変質挙動の評価は重要な課題の一つである。本研究では、溶性ケイ酸が飽和した条件での廃棄物ガラスの溶解変質のメカニズムを明らかにするため、飽和条件での浸出試験を実施し、反跳粒子検出法およびX線光電子分光法によって浸出試験後のガラス表面の元素分布を分析した。その結果、溶性ケイ酸が飽和した条件ではガラスマトリクスの水和変質によってガラス表面に水和層が形成されその水和層からは可溶性元素であるNa,Bが溶脱していることがわかった。また、ガラスマトリクスの水和変質と可溶性元素の浸出量の経時変化には密接な関係があることが示唆された。
島崎 雅夫*; 滝 富弘
PNC TN6510 94-001, 19 Pages, 1994/09
この資料は、ウラン鉱石と製錬鉱滓からのRa-226とTh-230の除去法に関する研究について、主にカナダの文献に報告されている内容を引用してまとめたものである。ウラン鉱石と製錬鉱滓からのRa-226とTh-230の除去法に関しては、各種の浸出材(鉱酸、無機塩類、有機錯化剤)を用いた浸出試験が実施されている。しかし、本研究の目標である浸出残渣を無管理で処分する処理法を開発した報告例はなく、研究開発の現状にあることがわかった。本研究の目的は、放射性物質による環境汚染の低減化に向けた新しい処理プロセスの開発にある。鉱滓処理の法律基準が年々厳しくなると予想される現状からして、環境資源開発においても環境にやさしい製錬法の開発に取り組んでいる。本資料は、今後、本研究を取り組んでいく上での参考資料として役立つものと考える。
加川 昭夫; 須黒 寿康; 福本 雅弘; 宮本 陽一; 中西 芳雄
PNC TN8410 94-078, 57 Pages, 1994/07
有機系TRU廃棄体(マトリックスが有機物であるもの及び廃棄物中に有機物を含むもの)は地下深部へ処分した際、廃棄体から地下水中へ溶解した有機成分(以下、可溶性成分)とTRU元素等の長寿命核種が安定な錯体を形成して、TRU核種の溶解度を上げたり、核種移行速度が速まるおそれがある。このため、今回、東海事業所から発生する有期系TRU廃棄物の内、貯蔵量が多く今後も増加が考えられるアスファルト固化体を評価対象として、アスファルト中の可溶性成分の回収試験及びアスファルト中の可溶性成分の浸出試験及び金属イオン(ニッケル、ジルコニウム)との錯体生成試験を行った。可溶性成分のメタノール・クロロホルム混合溶媒による抽出を行った結果、溶出量はアスファルト40gに対して約1mg(35ppm)と微量であった。一方、水酸化ナトリウムによる抽出を行った結果、抽出物のFT-IRから有機金属錯体形成を生じる可能性のある有機配位子としてカルボン酸の吸収スペクトルを得た。また、FABによりこのカルボン酸の分子量を測定した結果、分子量は100900までのカルボキシル変性物であることがわかった。アスファルト+金属イオン(ニッケル、ジルコニウム)+イオン交換・蒸留水による363Kの浸出試験では浸出液中の全有機炭素量を測定した結果、アスファルトに対して約300400ミューgC/gと微量であった。さらに、浸出液中の有機金属錯体の確認として、金属錯体の代表的な抽出溶媒であるMIBK(メチルイソブチルケトン)の浸出試験で得られた浸出液を抽出したが、有機金属錯体は抽出されなかった。以上より、今回の評価試験の限りにおいては、アスファルトの可溶性成分量は少なく、処分の性能評価に影響する錯体生成も認められなかった。
北野 光昭
PNC TN8600 92-011, 77 Pages, 1992/12
ベルギーモルにあるSCK/CEN(Studiecentrum voor Kernenergie/Centre d'Etude de l'Energie Nucleaire)に、1990年5月26日から1991年4月30日までの約11ヶ月間、廃棄物管理技術の調査習得を目的として長期出張した。モル研究所では、低レベル廃棄物(イオン交換樹脂、セメント固化体)溶解試験及び実ガラス固化体の浸出試験の研修を受けた。 純水と鉄(Fe/SUB2(SO/SUB4)SUB3)を使用してイオン交換樹脂の溶解試験を行った結果、99.7%以上の溶解率が得られた。また、実ガラス固化体の浸出試験では、COGEMAガラスについてMCC-1法及びMCC-5法による浸出試験を実施した。
菊池 輝男; 岩本 多實*
JAERI-M 92-146, 14 Pages, 1992/10
高レベル模擬廃液35wt%(酸化物換算)に対し、正燐酸を65wt%(酸化物換算)添加し、蒸発、仮焼に続いて、1100Cに2時間加熱して燐酸廃棄物ガラスを調製した。廃棄物ガラスは室温まで放冷したあと、めのう乳鉢で粉砕し、45~65メッシュのものを銀網の篭に入れ、1966年3月から1983年3月までの17年間、室温の蒸留水、水道水および海水に浸出させた。17年後、燐酸廃棄物ガラスを浸出液から取出し、浸出液については燐及びセシウムの分析をおこなって、これら3浸出液に対する浸出量を求めた。燐及びセシウムのこれら3浸出液に対する17年間の平均浸出速度は、10g/cmdayのオーダーであった。
園部 一志; 石黒 勝彦
PNC TN8410 92-114, 85 Pages, 1992/03
クラックの存在量が既知の大型模擬ガラス固化体を用いて静的及び動的(回分式流水)条件下で浸出試験を実施した。試験試料には、キャニスタに充填された実規模模擬ガラス固化体(410mmxH1300mm)を厚さ約230mm程度に輪切り状に切断し、内在するクラック量を測定したものを用いた。浸出条件は、98度C、蒸留水系とし、静的条件では、共存物が無い場合と圧縮ベントナイトを共存させた系での実験を行った。また、動的条件では、共存物が無い状態で、毎日21.6lの浸出液(蒸留水)の交換を行う回分式流水条件下で行った。試験期間は、いずれも90日間とし、浸出後に浸出液、ガラス表面変質層の組成分析等を実施した。その結果、ベントナイトを共存させない系でのガラスサンプルからの主要成分の静的/動的条件における浸出挙動は、従来の小型試料の試験結果や浸出モデルでその傾向を説明できるものであった。ベントナイト共存系の浸出試験で、ベントナイト成分と重複しない溶出成分は、ホウ素のみが検出されたが、その濃度の時間的変化は、圧縮ベントナイト中のホウ素の拡散を考慮してほぼ説明できるものであった。また、内在するクラック表面の走査型電子顕微鏡観察及びニ次イオン質量分析装置による分析の結果、クラック表面の平均浸出速度は、いずれの浸出条件においても外表面部の浸出速度の約0.6%であった。また、既に前報で報告した実規模ガラス固化体の360日間の浸出試験結果と比較すると、クラック表面の変質層の厚みは同程度であり、90日以降の浸出速度はそれまでの平均浸出速度よりも更に小さいことが示唆された。3つの試験条件において、クラック部の表面変質層は、動的条件 静的条件 ベントナイト共存条件の順に厚く、クラック部の液交換が僅かながらもこの順に大きいことが推察された。観察されたクラック部での浸出抑制現象は、高S(ガラスの表面)/V(溶液の体積)環境におけるSi成分の溶解度による溶出制限効果によって定性的に説明することができた。
上薗 裕史; 佐川 民雄; 田代 晋吾
Journal of Nuclear Science and Technology, 26(8), p.811 - 813, 1989/08
高レベル廃棄物ガラス固化体の低流速浸出試験では、ガラス固化体の表面積を高めるために、1つの浸出容器に約50枚の板状試料を並べて設置する場合がある。そのような浸出容器の中でも浸出液の均一性が保たれているか実験的に検討した。約10g/cmの濃度のモリブデン溶液をあらかじめ浸出容器の中に注入し、その中に徐々に脱イオン水を送り込んで、排出されるモリブデン溶液の濃度低下の時間変化を観察した。その結果、モリブデン溶液の濃度低下は、浸出容器内で均一な混合が起こっていると仮定した理論式で説明できることを確認した。さらに、均一な混合を達成する一条件として、浸出液中の元素の拡散速度が重要な役割りを持つことを指摘した。
上薗 裕史; 清水 勇; 馬場 恒孝
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(4), p.308 - 314, 1987/04
被引用回数:7 パーセンタイル:60.01(Nuclear Science & Technology)70Cの温度で28日間、合成地下水及び脱イオン水中でのガラス固化体の動的浸出試験(MCC-4)を行なった。浸出液の流量は0.1、0.01、0.001ml/minの3段階に設定した。比較のため静的浸出試験(MCC-1)も行った。(1)本実験の範囲では、流量の増加とともにSi及びBの浸出量は増加し、浸出量の上限値は認められなかった。(2)合成地下水中では、MCC-1の浸出量はMCC-4の浸出量(流量0.001ml/minの場合)とほぼ等しくなった。一方、脱イオン水中では、MCC-1の浸出量はMCC-4の浸出量(流量0.001ml/min)よりも多くなり、これは脱イオン水のpHの上昇により浸出量が増加したものと考えられた。
三田村 久吉; 馬場 恒孝; 村上 隆
Waste Management, 6, p.223 - 231, 1986/00
模擬高レベル廃棄物を20wt%含んだホウケイ酸ガラスに700C、1000時間の熱処理を施したところ、失透化によって、5.5mol%の結晶が新たに生じた。この失透化ガラスと熱処理前ガラスとを使って、2ヶ月間のソックスレー浸出試験を行い、浸出液中のSr,Ba,Mo,B,Cr,Fe,NaおよびCsの各濃度を測定した。これらの結果から、次のことが明らかとなった。(1)失透化によって生じた(Sr、Ba,RE)MoO及び(RE)BSiOの結晶相が溶解し難いため、失透化ガラス中のSr,Ba,Mo,Bの各元素は浸出し難くなった。(2)実際の浸出面積を使って求めたNaの浸出率は、失透によって約3倍高くなり、しかも、浸出期間を通じてほぼ一定であった。
馬場 恒孝; 松本 征一郎; 田代 晋吾; 中村 治人
JAERI-M 84-140, 12 Pages, 1984/08
WASTEFにおける、合成廃棄ガラス固化体の特性試験の一環として、最近の代表的な組成のガラス固化体からのCs、Sr及びPuの浸出率をソックスレー型浸出試験装置を使用して測定した。その結果、Cs及びSrの浸出率はそれぞれ、4.2810g/cm.Dayであって、これらの値はコールド試験結果とほとんど差がなかった。Puの浸出率は1.8210G/cm.Dayであった。また、浸出試験の過程で検知された現象から、浸出した放射性物質の挙動について考察した。その結果、Puの進出液中の濃度はPuの溶解度に依存することがわかった。
荒木 邦夫; 満木 泰郎*; 進士 義正; 石崎 寛治郎*; 峯岸 敬一*; 須藤 儀一*
JAERI-M 9389, 13 Pages, 1981/03
低・中レベル放射性廃棄物の処理処分容器としてポリマー含浸コンクリートを用いて研究してきた。本研究は次の2段階で実施した。(1)、60l(200lドラム缶の2/3寸法モデル)容器を用いたコールドおよびホット試験による予備評価、(2)200l(実寸法)容器を用いたコールド試験による容器の寸法効果である。60l容器と200l容器はそれぞれ500kg/cmと700kg/cmの耐圧容器として検討した。500kg/cmと700kg/cmの外水圧力の載荷によって、PIC容器は良好な状態を保持し、実測された最大ひずみはそれぞれ60l容器と200l容器の外側胴中央部円周方向でおよそ138010と395010を示した。RIの促進浸出試験をJMTRから排出した濃縮廃液を容器中に直接入れて400日間イオン交換水中に浸漬したが、放射性核種の浸出は認められなかった。その結果、PIC容器は低・中レベル放射性廃棄物の処理処分用に適していると評価された。また、容器の寸法効果も認められなかった。速報である。